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介護業界における生産性向上(業務改善)で、互いに働きやすい環境を!

前回のコラムでは、介護報酬改定を踏まえ、『誰でも出来る食事作り』とマルチスタッフの育成についてご紹介しましたが、そもそも生産性向上(業務改善)とは、現在の業務から「ムリ」「ムダ」「ムラ」をなくし、業務をより安全に、正確に、効率的に行い、負担を軽くすることを目的にしています。 

つい自分で何でもやって抱えてしまい、他のスタッフに仕事を任せられない管理職がいて困っている 

というご相談を経営者の方から頂きますが、任せられないのは「教えてやらせると、時間がかかり、逆に手間になるから」「自分でやってしまった方が早いし、確実」もしくは、「周りのスタッフに頼みにくい」のが多くの理由です。またそれ以外に「余計な仕事を頼まれて嫌がるはず」とスタッフを勝手に過小評価している事もあります。 

自分がはじめて仕事を任された時の事を思い出すと、緊張も責任も感じたはずですが、任された時は、上司や先輩から信頼を得た気がして、とても嬉しかったはずです。人を育てるのは管理者の仕事と義務。人を育てるのには時間と我慢が必要不可欠ですし、もしその管理職が病気やご家族等の事情で急なお休みを取らなければいけない場合には、スタッフの方は「普段やっていない業務にどうして良いのか分からない」とお困りになると思います。また属人的なやり方では、「上司がやるから余計な事はしない」という他人事なスタッフも出現していまいますので、誰でも何でも出来る仕組みは、スタッフの成長を促し、休みやすい環境も作るメリットがあります。これは食事作りも同様です。 

私は訪問介護事業所の管理者も経験し、現在は訪問介護事業所等の改善にも関わらせて頂いていますが、あるヘルパーは、天ぷらを揚げるのが上手だとお客様に「天ぷら屋さん」と言われていました。このようなお客様との関係性になると、『自立支援・重度化防止のためのヘルパー』ではなく、『家事代行の美味しい物を作ってくれるヘルパー』になってしまい、お客様に介護保険の誤解を招いてしまいます。 

そして施設の場合は、「あの調理の人が勤務の日は美味しい」「あの調理の人が勤務の日はまずい」と言われかねなくなってしまいます。 

介護保険最新情報Vol.1225 令和6年3月15日 厚生労働省老健局
001227740.pdf (mhlw.go.jp) 

「問184 管理者に求められる具体的な役割は何か。」には、 
(答)・「指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について」(平成11年 9月17日付け老企第25号)等の解釈通知においては、管理者の責務を、介護保険法の基 本理念を踏まえた利用者本位のサービス提供を行うため、現場で発生する事象を最前線 で把握しながら、職員及び業務の管理を一元的に行うとともに、職員に指定基準の規定を 遵守させるために必要な指揮命令を行うこととしている。 具体的には、「介護事業所・施設の管理者向けガイドライン」等を参考にされたい。 

≪参考≫ ・「介護事業所・施設の管理者向けガイドライン」(抄) (令和元年度老人保健健康増進等事業「介護事業所・施設における管理者業務のあり方と サービス提供マネジメントに関する調査研究」(一般社団法人シルバーサービス振興 会))  

第1章 第2節 管理者の役割 
1.管理者の位置づけ及び役割の重要性  
2.利用者との関係
3.介護にともなう民法上の責任関係
4.事業所・施設の考える介護職員のキャリアイメージの共有
5.理念やビジョン、組織の方針や事業計画・目標の明確化及び職員への周知
6.事業計画と予算書の策定
7.経営視点から見た事業展開と、業績向上に向けたマネジメント
8.記録・報告や面談等を通じた介護職員同士、管理者との情報共有

初めの一歩は自分も通った道です。「人を育てる=自分の戦力」になると前向きに考えて、管理者もスタッフと共に成長されて下さい。

介護分野生産性向上GLの概要(介護保険部会3 220725)介護分野生産性向上GLの概要(介護保険部会3 220725)

介護分野生産性向上GLより(介護保険部会4 220725) 

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【伊藤 亜記さんプロフィール】 
・短大卒業後、出版社へ入社 
・祖父母の介護と看取りの経験を機に、社会人入学にて福祉の勉強を始める 
・1998年、介護福祉士を取得し、老人保険施設で介護職を経験。ケアハウスで介護相談員兼施設長代行を務める 
・大手介護関連会社の支店長を経て、「ねこの手」を設立 
現在、旅行介助サービスや国内外の介護施設見学ツアーの企画、介護相談、介護冊子制作、介護雑誌の監修や本の執筆、セミナー講師、TVコメンテーター、介護事業所の運営・営業サポートなど、精力的に活躍中 

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