高齢者の夏バテ・食欲不振と食事対策|水分の取り方とスポーツドリンクの注意点を解説

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夏になると、高齢者の食欲が落ちたり、体調を崩したりしやすくなります。介護施設なら毎日バイタルチェックや水分量の確認をしているので変化に気づきやすいのですが、在宅ではなかなか気づけません。理学療法士・介護支援専門員として高齢者の夏の体調管理に関わってきた経験から、夏バテ・食欲不振への対策をお話しします。
夏は食事以上に「水分」が重要
夏バテや食欲不振というと食事の話になりがちですが、夏の場合はやはり水分の方が重要だと思います。食欲が落ちて食事量が減ること自体も心配ですが、それ以上に脱水が命に関わるからです。
介護施設ならコップ何杯飲んだかを把握できますが、在宅だとそれが確認できません。そこでおすすめなのが、あえてペットボトルや紙パックの飲み物にして、1日にいくつ飲んだかを目で見て確認していくやり方です。空いた容器の数を見れば、どれくらい水分を取れたかが一目で分かります。
高齢者の水分補給の考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「飲めば何でもいい」わけではない
水分補給が大事とはいえ、飲めば何でもいいというわけではありません。特に注意したいのが、砂糖がたっぷり入った清涼飲料水です。
スポーツドリンクの飲みすぎに注意
夏になると、ポカリスエットやアクエリアスといったスポーツドリンクが、テレビCMなどで「ミネラルが取れて体にいい」というイメージで宣伝されます。確かに熱中症対策として役立つ場面もありますが、飲みすぎには注意が必要です。
甘酒は飲む点滴と言われるくらい栄養があるのと同じような感じでスポーツドリンクも飲む点滴だと言われることもありますが、どちらかというと飲む水あめかもしれません。水に溶けている砂糖なので、サラサラとお腹に入りそのまま腸で吸収され、血管の中の血液に糖分が勢いよく溶け込んでいきます。砂糖菓子の砂糖が手に着いたときや、水あめを想像するとわかりやすいですが、べたべたしますよね。糖分が血管に多い状態もべたべたして、血球にこびりつき、血管にもこびりつくので、要注意です。
スポーツドリンクは500mlで約125kcalあり、水の中に大量の糖分が溶け込んでいます。糖分が水分に溶け込んでいると、食べ物から取るよりも腸で急激に吸収されます。そのため虫歯や歯周病のリスク、糖分の取りすぎが気になります。絶対に飲んではいけないわけではありませんが、最近はペットボトル症候群という急性の糖尿病のようなリスクも指摘されているので、ほどほどにするのがいいでしょう。
糖尿病でない方でも、糖分の取りすぎは血糖コントロールの不安定さや疲れやすさにつながることがあります。「体に良さそう」というイメージだけで大量に飲むのは避けたいところです。
塩分だけでなく「ミネラル全体」を意識する
夏の水分補給では「塩分を取りましょう」とよく言われますが、最近はもう少し広い視点が大切だと言われています。
医師と相談したうえでですが、精製された食塩ではなく、マグネシウム・カルシウム・カリウムなどを含む天然塩を適度に摂取した方が良いとも言われています。
塩分だけに限らず、ミネラル全体の摂取を意識しながら、水分や食べ物を考えていくといいと思います。汗をかくと、塩分だけでなくさまざまなミネラルが失われるので、バランスよく補うという発想が大切です。
ただし、腎臓病などでカリウムやマグネシウムの制限がある方は、天然塩やミネラルの摂取が制限される場合があります。必ず主治医に相談したうえで取り入れてください。
夏におすすめの飲み物・食べ物
体質にもよりますが、ミネラルウォーターや日本茶・緑茶を飲んでいる方が、自然と水分や栄養を取れるケースもあります。無理に特別なものを用意しなくても、普段飲み慣れたお茶で十分な場合も多いです。
栄養バランスを考えると、豆乳などもいいと思います。たんぱく質やミネラルが取れますし、夏場のたんぱく質補給としても役立ちます。青汁もありですが、これは注意が必要です。ご病気によっては青汁が良くないと言われることがあります。特に腎臓病でカリウム制限がある方などは避けた方がいい場合があるので、青汁を取り入れる際は医師と相談のうえ考えていくといいと思います。
食欲がない時の食事の工夫
夏バテで食欲が落ちている時は、無理に量を食べさせようとするより、少量でも栄養が取れる工夫をする方が現実的です。
のどごしの良い冷たい麺類や、水分の多いおかず、さっぱりした酸味のあるメニューなどは、食欲がない時でも食べやすいです。ただし、そうめんだけ・お茶漬けだけ、といった炭水化物に偏った食事が続くと、たんぱく質やビタミンが不足して、かえって夏バテが長引きます。冷たい麺に卵や鶏肉、薬味の野菜を添えるなど、少しでもたんぱく質や栄養が取れる工夫をしたいところです。
とはいえ、食欲がない中で栄養バランスまで考えて調理するのは、ご本人にもご家族にも負担が大きいものです。そんな時は、栄養バランスの取れた宅配弁当を活用するのも一つの方法です。食欲がなくても、少量で栄養がしっかり取れる食事が用意されていれば、夏場の栄養不足を防ぎやすくなります。
まとめ
高齢者の夏バテ・食欲不振では、食事以上に水分管理が重要になります。在宅では飲んだ量が把握しにくいので、ペットボトルや紙パックで飲んだ数を目に見える形にする工夫が役立ちます。
その際、砂糖の多い清涼飲料水やスポーツドリンクの飲みすぎには注意して、お茶や豆乳、天然塩によるミネラル補給など、糖分に偏らない水分・栄養の取り方を意識してください。食欲がない時も、少量で栄養が取れる工夫や宅配弁当の活用で、夏を元気に乗り切りましょう。
青汁やミネラルの摂取など、ご病気によって注意が必要なものもあります。気になることは主治医や担当のケアマネジャーに相談してください。
食欲がない時でも栄養が取りやすい宅配弁当については、こちらの比較記事もご覧ください。



