透析食の宅配はどう選ぶ?冷凍で続けやすいたんぱく質・カリウム制限食を専門家が解説

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「透析が始まって食事制限が必要になったけれど、たんぱく質もカリウムもリンも塩分も気にしないといけなくて、自分で作るのが本当に大変」。透析を受けている方やそのご家族から、こうした声をよく聞きます。透析食は、すべての食事制限の中でも特に管理が難しいものの一つです。理学療法士・介護支援専門員として腎臓病の高齢者に関わってきた経験から、透析食をどう確保していくか、宅配サービスの活用方法を中心に解説します。
なお、透析食の具体的な制限量は、透析の方法や体の状態によって一人ひとり異なります。この記事は一般的な考え方をお伝えするものですので、実際の食事管理は必ず主治医や管理栄養士の指示に従ってください。
透析食はなぜ管理が難しいのか
透析を受けている方の食事では、複数の栄養素を同時にコントロールする必要があります。具体的には次のような項目です。
これだけの項目を、毎食バランスを取りながら管理するわけですから、自炊で続けるのは本当に大変です。自分で細かい計算をしなくても栄養バランスが考慮された食事が食べられることが、宅食を利用する最大のメリットだと言えます。
透析が始まると制限の内容が変わる
意外と知られていないのですが、透析が始まると、それまでの腎臓病の保存期とは食事制限の内容が変わります。透析が始まるとたんぱく質の制限は保存期よりも緩和されます。これは透析によって老廃物がある程度除去されることと、透析の過程でアミノ酸などの栄養素も一緒に抜けてしまうため、栄養不足を防ぐ必要があるからです。
ただし食べ過ぎは禁物で、適正量の摂取が求められます。水分と塩分の管理は引き続き重要で、カリウムとリンの制限は透析前よりも厳格に行う必要があります。
透析食で特に気をつけたい栄養素
エネルギーをしっかり確保する
制限ばかりに気を取られがちですが、実はエネルギー(カロリー)をしっかり確保することがとても重要です。摂取カロリーが不足すると、脂肪や筋肉などがエネルギー源として使われることがあります。その状態が続くと体重や筋肉量の維持が難しくなり、疲労や脱力感を感じやすくなります。
カリウムは下処理で減らせる
野菜は茹でこぼしをすることでカリウムを減らすことができます。細かく切って水にさらすことも効果的です。ただ、こうした下処理を毎食自分でやるのは手間がかかります。宅配の透析食はこの下処理がしっかり行われているので、その点でも負担が減ります。
リンはたんぱく質と一緒に管理する
腎機能が低下するとリンを尿中に排泄できなくなり、血中のリン濃度が上昇します。これが続くと骨がもろくなったり、動脈硬化を起こしたりします。リンは肉、魚、卵、乳製品などのたんぱく質を多く含む食品に広く存在しています。
塩分を控えて水分管理につなげる
塩分を摂りすぎると喉の渇きから水分摂取量が増えやすくなります。透析中の方は体内の余分な水分を尿として排泄しにくく、水分が体内にたまりやすいため、日頃から減塩を意識することが大切です。
透析食を確保する方法
自炊で対応する
もちろん自炊でも対応できますが、前述の通りすべての栄養素を計算しながら、カリウムの下処理までこなすのはかなりの負担です。ご家族が作る場合も、透析食だけ別に作るとなると大変です。料理が得意で時間に余裕がある方には向いていますが、誰にでも続けられる方法ではないと感じます。
冷凍の透析食宅配を活用する
そこで現実的な選択肢になるのが、冷凍の透析食宅配サービスです。管理栄養士が栄養計算をして、カリウムの下処理もした状態で届きます。冷凍なのでまとめて届けてもらって、好きなタイミングで電子レンジで温めるだけ。コンロや包丁を使わなくていいので、調理に不安がある高齢の方でも使いやすいです。
毎食すべてを宅配にしなくても、1日1食だけでも透析食宅配にすると、その1食分は栄養計算の心配がいりません。残りの食事の管理もしやすくなるので、負担がぐっと減ります。
透析食におすすめの宅配サービス
提携しているサービスの中から、透析・たんぱく質制限に対応したものをご紹介します。いずれも栄養価がラベルに明記されているので、主治医や管理栄養士に見せて確認しやすいです。
メディミール たんぱく質&塩分制限食
メディミールは、管理栄養士・看護師・理学療法士・言語聴覚士が開発に携わる制限食専門のサービスです。たんぱく質&塩分制限食は、1食あたりたんぱく質10g以下・カリウム500mg以下・塩分2g以下に調整されています。透析食に必要な項目をしっかり押さえています。管理栄養士への電話相談窓口があるので、どのコースが合うか迷ったときに相談できるのも心強いです。
参考:メディミールの口コミ・評判は?料金・メニュー・特徴を解説
健康直球便 たんぱく調整食
健康直球便は、高齢者専門の宅配弁当を展開するシニアライフクリエイトのサービスです。おかず1食あたりたんぱく質10.0g以下・カリウム500mg以下・リン170mg以下・食塩相当量2.0g未満を目安に作られています。
腎臓病・透析中の方向けのたんぱく調整食は約500種類の専用メニューが展開されています。
参考:健康直球便の口コミ・評判は?料金・メニュー・高齢者への適性を専門家が解説
タイヘイファミリーセット たんぱく調整食
創業約50年の老舗タイヘイのサービスです。専門医監修・管理栄養士の献立設計で、たんぱく質と塩分を調整したコースがあります。日替わりメニューで飽きにくく、定期購入なら送料無料になります。長年の実績がある分、品質管理の安心感があります。
参考:タイヘイファミリーセットの口コミ・評判は?ヘルシー御膳・たんぱく調整食・ソフト御膳を専門家が解説
腎臓病・透析患者向けのサービスをもっと詳しく比較したい方は、こちらの記事もご覧ください。
透析食の宅配を利用するときの注意点
必ず主治医・管理栄養士に確認する
繰り返しになりますが、透析食の適切な制限量は、透析の方法や体の状態、血液検査の結果によって一人ひとり違います。宅配サービスを選ぶときは、そのサービスの栄養成分表を主治医や管理栄養士に見せて、自分に合っているか確認してもらうのが一番安心です。
宅配食以外の食事や飲み物も合算して考える
宅配の透析食を1食食べても、残りの食事や間食、飲み物でカリウムや塩分をとりすぎてしまっては意味がありません。特にカリウムは果物や野菜ジュース、生野菜などに多く含まれるので注意が必要です。1日トータルで考える習慣をつけましょう。
血液検査の結果で食事を調整する
透析を受けている方は定期的に血液検査を受けています。その結果に応じて、カリウムやリンの管理を強めたり緩めたりする必要があります。宅配食を始めた後も、血液検査の結果を見ながら主治医・管理栄養士と相談して調整していくことが大切です。
まとめ
透析食は、たんぱく質・カリウム・リン・塩分・水分・エネルギーと、多くの項目を同時に管理しなければならない難しい食事療法です。自炊だけで続けるのは負担が大きいので、冷凍の透析食宅配サービスを上手に活用することをおすすめします。
毎食すべてを宅配にしなくても、1日1食だけでも栄養計算済みの透析食を取り入れることで、食事管理の負担は大きく減ります。メディミール、健康直球便、タイヘイファミリーセットなど、栄養価が明記されたサービスを選んで、まずはお試しから始めてみてください。
そして何より、サービス選びや食事の調整は、必ず主治医や管理栄養士に相談しながら進めてください。透析と上手に付き合いながら、美味しく食べ続けられる方法を一緒に見つけていきましょう。

