高齢者向け備蓄食・非常食の選び方|在宅介護で役立つストック方法

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「災害時に高齢の親の食事をどう確保すればいいか」
「食事制限がある高齢者でも食べられる備蓄食はあるか」
在宅介護をしている家族から多く寄せられる疑問のひとつです。理学療法士・介護支援専門員として在宅高齢者の支援をしてきた経験から、備蓄食の準備は在宅介護の重要な備えのひとつです。この記事では高齢者向けの備蓄食・非常食の選び方を専門家の視点から解説します。
在宅高齢者の備蓄食が特に重要な理由
災害時に宅配サービスが停止するリスク
普段から宅配弁当サービスを利用している高齢者でも、大規模災害時には配達が停止する可能性があります。ケアマネジャーとして在宅支援をしていた経験から、災害時の食事確保は平時から計画しておく必要があります。最低3日分・できれば1週間分の備蓄食を準備しておくことをお勧めします。
高齢者は通常の備蓄食では対応できない場合がある
一般的な防災備蓄食(カップ麺・缶詰・乾パンなど)は塩分が高く・硬く・食べにくいものが多いため、高齢者には向かない場合があります。食事制限がある方・嚥下機能が低下している方は、通常の備蓄食では対応できないケースがあるため、専用の備蓄食を準備する必要があります。
高齢者向け備蓄食の選び方
①食形態を確認する
嚥下機能が低下している方は、やわらか食・ムース食・レトルト粥など食べやすい形態の備蓄食を選びましょう。硬いビスケットや乾パンは誤嚥リスクが高いため避けてください。
②栄養バランスと塩分量を確認する
高血圧・腎臓病・心疾患など塩分制限が必要な方は、備蓄食の塩分量を必ず確認してください。一般的な缶詰やレトルト食品は塩分が高いものが多いため、減塩タイプを選ぶか、主治医・管理栄養士に相談してください。
③電子レンジ・カセットコンロなしで食べられるか確認する
災害時はライフラインが止まる可能性があります。加熱不要でそのまま食べられるもの、または少量の水で調理できるものを中心に備蓄しましょう。
④賞味期限と保管方法を確認する
備蓄食は賞味期限が長いものを選び、定期的に確認・補充する「ローリングストック」の習慣をつけましょう。普段から少し多めにストックして、古いものから消費していく方法が無理なく続けられます。
高齢者向けおすすめの備蓄食カテゴリ
レトルト粥・やわらかご飯
電子レンジまたは湯煎で温めるだけで食べられるレトルト粥は、嚥下機能が低下した高齢者の備蓄食として最適です。白粥・五分粥・全粥など粥の固さも選べます。賞味期限が1〜2年程度のものが多く備蓄に向いています。
介護食缶詰・レトルト惣菜
やわらか食・ムース食に対応した介護食の缶詰・レトルト惣菜は、災害時の備蓄食としても活用できます。日本介護食品協議会のUDF(ユニバーサルデザインフード)マークを参考に選ぶと食形態の目安になります。
栄養補助食品・高カロリーゼリー
食欲が低下している高齢者には、少量でエネルギーとタンパク質を補給できる栄養補助食品が役立ちます。ゼリー状のものは嚥下が難しい方でも摂取しやすいため、備蓄に加えておくと安心です。
冷凍宅配弁当のストック活用
普段から冷凍タイプの宅配弁当サービスを利用している方は、冷凍庫に多めにストックしておくことで備蓄食として活用できます。ただし停電時は冷凍庫の保冷が保てなくなるため、停電が長引く場合の対応策もあわせて考えておきましょう。
食事制限がある方の備蓄食
糖尿病の方
糖質・カロリーに配慮した備蓄食を選びましょう。白米より麦飯・雑穀米のレトルトパックの方が血糖値の上昇を抑えやすいです。備蓄食の糖質量を主治医に確認しておくと安心です。
腎臓病・透析患者の方
たんぱく質・カリウム・リン・塩分の管理が必要な方は、一般的な備蓄食では対応が困難です。腎臓病食専用のレトルト食品・缶詰を事前に備蓄しておくか、主治医・管理栄養士に災害時の食事プランを相談しておくことをお勧めします。
塩分制限がある方
市販の備蓄食は塩分が高いものが多いため、減塩タイプを意識的に選ぶ必要があります。普段利用している宅配弁当サービスに減塩対応の備蓄食ラインがある場合は活用しましょう。
備蓄食以外の災害時の備え
食事以外にも以下の備えをしておくことをお勧めします。
・処方薬の予備(主治医に相談して多めに処方してもらう) ・お薬手帳のコピーまたは写真保存 ・かかりつけ医・担当ケアマネジャーの連絡先メモ ・介護保険証・医療証のコピー ・とろみ剤・経管栄養など医療的なケアに必要な物資の備蓄
ケアマネジャーに相談して備えを整える
在宅高齢者の災害時の備えは、担当ケアマネジャーと一緒に計画することをお勧めします。地域によっては市区町村が高齢者向けの防災備蓄支援を行っている場合もあります。個別避難計画の作成も、担当ケアマネジャーに相談することで進めることができます。
まとめ
在宅高齢者の備蓄食は、一般的な防災備蓄と同じ考え方では不十分です。食形態・食事制限・嚥下機能など、個人の状態に合わせた備蓄食を準備しておくことが重要です。
普段から利用している宅配弁当サービスの冷凍ストックを多めに確保することが、最もシンプルで実践しやすい備蓄方法のひとつです。担当のケアマネジャーや主治医と相談しながら、平時から備えを整えておきましょう。


