老老介護と食事の問題|8050問題にも通じる食生活の乱れと支援のヒントを専門家が解説

老老介護と食事の問題|8050問題にも通じる食生活の乱れと支援のヒントを専門家が解説

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「老老介護」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。高齢者が高齢者を介護している状態のことです。

理学療法士、デイサービスの管理者として在宅の家庭に入ってきた経験から、老老介護の家庭では、食事にさまざまな問題が起きやすいと感じています。

この記事では、老老介護や、その延長にある8050問題の家庭で起きる食事の問題と、その背景、そしてできる対策についてお話しします。

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老老介護とは

老老介護とは、高齢者が高齢者を介護している状態のことを指します。高齢の夫が高齢の妻を介護する、高齢の妻が高齢の夫を介護する、あるいは高齢の子が高齢の親を介護するといったケースです。日本では高齢化が進み、介護する側も高齢という家庭が珍しくなくなっています。

老老介護では、介護する側も体力や気力が低下しているため、介護そのものが大きな負担になります。そして、その負担が特に表れやすいのが「食事」なんです。

老老介護の家庭で起きやすい食事の問題

食事の準備が大きな負担になる

まず、食事の準備そのものが大変になります。買い物に行くのも、調理をするのも、体力が必要です。介護する側の高齢者が、自分の食事だけでなく、介護される側の食事まで毎日用意するのは、想像以上に重労働です。その結果、簡単に済ませられるものばかりになったり、作り置きを何日も食べ続けたりということが起きます。

食事の内容が偏る

食事の準備が負担になると、どうしても内容が偏ってきます。同じようなものばかり食べていたり、栄養バランスが崩れていたり。二人とも同じ食事をずっと続けているので、二人そろって栄養が偏ってしまうこともあります。実際、ご夫婦や親子でそろって糖尿病になっているというケースを、現場でいくつも見てきました。同じ食生活を長年続けていれば、同じような生活習慣病になるのは、ある意味自然なことなんですね。

食品の管理が難しくなる

これは特に注意したい点なのですが、食品の管理ができなくなっているケースがあります。消費期限が切れて腐りかけの食べ物を、そのまま食べているという家庭を実際に見たことがあります。認知機能や判断力が低下していると、食べ物が傷んでいることに気づけなかったり、もったいないからと食べてしまったりするんです。高齢者は食中毒にかかると重症化しやすいので、これは健康に直結する深刻な問題です。

8050問題と食事

老老介護と近い問題として、最近は「8050問題」も注目されています。これは、80代の親と、ひきこもりなどの状態にある50代の子が同居している家庭の問題です。

8050問題の詳しい背景については、こちらの記事で解説されていますので参考にしてください。

8050問題の家庭では、閉鎖的な空間の中で、外の世界との関わりが少なくなりがちです。他の人がどんな生活をしているか、自分たちの生活が世間から見てどうなのか、といったことへの関心が薄くなってしまうことがあります。その中で、同じような食生活をずっと続けていて、病気が悪化していても医療機関を受診しない、というケースもあります。

私が現場で見てきた中には、高齢の母親が、同居する息子の食事までずっと準備しているというケースがいくつもありました。母親も高齢なので、二人分の食事を用意するのは大変です。結果として、親子そろって糖尿病になっていたり、栄養が偏っていたりする。老老介護の家庭と、8050問題の家庭は、食事のバランスが崩れているという点で、よく似た状況にあると感じます。

食事の乱れは「生活全体の乱れ」のサイン

ここが、この問題の一番大切なところかもしれません。食事の乱れは、それだけで完結する問題ではないんです。

食事が乱れている家庭は、食事だけでなく生活習慣全体が乱れていることが多いです。食事への無頓着は、そのまま健康への無関心につながっています。そして、自分たちの世界の中で完結した生活を送っているうちに、家の中がゴミ屋敷のようになっていたり、家の周りまで散らかっていたり、ということも起こります。食事の問題は、こうした生活全体の乱れの、目に見えるサインの一つなんです。

そしてこうなってしまうと、外からの介入や改善が難しくなります。本人たちが問題だと感じていなかったり、他人が家に入ることを拒んだりするので、支援の手が届きにくいんです。だからこそ、できるだけ早い段階で、周りが気づいて関わっていくことが大切になります。

老老介護の食事問題にできる対策

まずは地域包括支援センターやケアマネジャーに相談する

老老介護や8050問題の家庭は、当事者だけで解決するのが難しいことが多いです。まずは、地域包括支援センターやケアマネジャーといった、専門の相談窓口につながることが第一歩です。介護保険サービスを利用できれば、訪問介護で食事の準備を手伝ってもらったり、デイサービスで栄養バランスの取れた食事を摂ったりできます。

離れて暮らす家族や親戚が気づいた場合は、本人たちを責めるのではなく、「困っていることはない?」とそっと寄り添いながら、こうした窓口につなげてあげてください。責められると、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。

宅配弁当で食事の準備の負担を減らす

食事の準備そのものが負担になっている場合、宅配弁当を活用することで、その負担を大きく減らせます。買い物にも調理にも行かなくていいので、介護する側の高齢者の体力的な負担が軽くなります。栄養バランスも管理栄養士が設計してくれているので、偏った食事になりにくいのも大きなメリットです。

特に冷凍タイプの宅配弁当なら、まとめて届けてもらってストックしておけるので、消費期限を気にしながら毎日買い物をする必要もありません。腐りかけのものを食べてしまうリスクも減らせます。二人分をまとめて頼めば、それぞれの体調に合わせたコースを選ぶこともできます。

見守り機能のあるサービスを活用する

老老介護や高齢者だけの世帯では、配達を通じた見守りが受けられるサービスも心強いです。毎日手渡しで届けてくれるタイプの宅配弁当なら、配達員が顔を見て安否を確認してくれるので、離れて暮らす家族も安心です。食事の確保と見守りを同時に実現できるのは、こうした家庭にとって大きな支えになります。

高齢者向けの宅配弁当については、こちらの比較記事もご覧ください。

まとめ

老老介護や8050問題の家庭では、食事の準備の負担、食事内容の偏り、食品管理の難しさといった問題が起きやすくなります。そして食事の乱れは、生活全体の乱れや健康への無関心のサインでもあり、放っておくと外からの介入が難しくなっていきます。

大切なのは、できるだけ早い段階で周りが気づいて、地域包括支援センターやケアマネジャーといった専門の窓口につなげることです。そのうえで、食事の準備の負担を減らす手段として、栄養バランスの取れた宅配弁当や、見守り機能のあるサービスを活用するのは、とても有効な方法です。

身近に老老介護で大変そうなご家庭があれば、まずはそっと声をかけることから始めてみてください。食事は、その家庭の状況を知る入り口にもなります。気になることがあれば、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみてくださいね。

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この記事を書いた人

秋山 和幸

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