高齢者向け宅配弁当は美味しいのか?食事が「美味しくない」と感じる理由を介護現場の経験から解説

高齢者向け宅配弁当は美味しいのか?食事が「美味しくない」と感じる理由を介護現場の経験から解説

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「宅配弁当って美味しいの?」「高齢の親が『美味しくない』と言って食べてくれない」。
こんな悩みを抱えるご家族は多いと思います。

私は有料老人ホームやショートステイ、デイサービスなどで実際に食事の提供に関わってきました。管理者・食品衛生責任者として衛生面に気をつけながら、調理師さんや栄養士さんと相談して、実際に味見をしながら味付けや提供を考えてきた立場です。せっかくなので美味しいものを食べていただきたい、という思いでやってきました。施設の印象は食事でかなり変わるため、ご飯がおいしければ利用者の満足度も上がるというのもあります。

そんな経験から、高齢者が「食事が美味しくない」と感じる本当の理由をお話ししたいと思います。

施設で「美味しい」と思って作っても「美味しくない」と言われる現実

正直に言うと、私自身そんなに舌が肥えているわけではないので、ハードルが下がってしまっているかもしれません。それでも調理している私たち若い世代としては「結構おいしくできているな」と思える料理に仕上げて提供するんです。ところが、いざ高齢者の方に出すと「味が薄い」「肉が硬い」と、いろいろ言われてしまうんですね。

「せっかく美味しく作っているのに」と思いながら、いろいろな利用者の方に食事の感想を聞いて回った時期がありました。その中で気づいたことがあります。

「肉は好きなんだけど、ここの肉はまずくて食べられない」とおっしゃる方がいて、「最近、自宅でこういう感じのお肉を食べましたか?」と聞いてみたんです。そうしたら「食べていない」という答えが返ってきました。

なんとなく避けていたのか、食べる機会がなかったのかは分かりません。でも食べていなかった間に、昔のように美味しく食べられる状態じゃなくなっていた。こういうケースが結構多いように感じました。食べていない間に噛む力や飲み込む力が落ちていて、以前と同じようには食べられなくなっているのに、ご本人は「料理の作り方が悪い」と感じてしまう。そういう状況です。

高齢者が「美味しくない」と感じる本当の理由

①自分のセルフイメージとのズレ

昔はこのメニューだったらもっと美味しく食べられたはずなのに、味付けが悪いに違いない。昔はすんなり噛んで飲み込んでいたようなものなのに、ここの作り方が悪いから美味しく食べられない。これ、私の本当にただの主観なんですが、こうしたご本人のセルフイメージとのズレが「美味しくない」という言葉につながっているような気がしています。

「私はそんなに弱っていない」という気持ちと、実際の身体の状態がずれているんですね。これはご本人を責めているわけではありません。自分の変化を受け入れるのは、誰にとっても簡単なことじゃないですから。だからこそ、ご家族や介護職員としては「本当に料理が悪いのか、それとも食べる側に変化があるのか」という両方の視点を持っておくことが大事だと思います。

②味覚や嗅覚の変化

加齢とともに味を感じる味蕾の数が減っていって、味覚が変化します。特に塩味や甘みを感じにくくなるので、「薄い」「味がしない」という訴えにつながりやすいんです。これは料理の味付けの問題というより、感じる側の変化です。

それに嗅覚の低下も食事の美味しさに影響します。食べ物の美味しさって、実は香りから来ている部分が大きいので、嗅覚が落ちると風味が感じにくくなって「美味しくない」につながることがあります。

③食欲自体が湧かない

あまり体を動かしていないと、そもそも食欲が湧きにくくなります。食欲がない状態で食べる食事は、どれだけ美味しい料理でも美味しく感じにくいものです。施設では機能訓練やレクリエーションで活動量を確保して食欲を引き出す工夫をしていましたが、在宅だとどうしても活動量が落ちやすい環境になりがちですよね。

④食形態を落とすと歯ごたえがなくなる

咀嚼や嚥下の問題で、食事をみじん切りのように刻んだ刻み食にしたり、それでも食べるのが心配な方にはムース食やおかゆにしたりします。これはどうしても仕方ない部分なんですが、単純に歯ごたえがないので美味しくない、ということがあるんです。刻み食はバラバラになりやすいですし、ムース食は見た目で食欲がそそられにくい。おかゆは水っぽい。安全のために必要な対応ではあるんですが、ご本人にとっては「食べる楽しみが減ってしまう」という面があります。

この気持ちを無視せずに、できる範囲で食の楽しみを残してあげる工夫が大切だと思います。

⑤入れ歯が合わなくて気持ち悪い

入れ歯がカパカパになっていて、噛もうとすると動いてしまう。こうなると噛むたびに気持ち悪かったり痛かったりして、食べるのが嫌になってしまう方がいます。「気持ち悪くて食べる気がしない」というのは料理の問題ではなくて、お口の環境の問題です。入れ歯の不具合は歯科を受診したり訪問歯科を利用したりすることで改善できることが多いので、まずは歯科に相談してみるのがいいと思います。

⑥好き嫌いと献立のズレ

施設の食事をやっていて感じたのは、本当に料理が上手で美味しいものをいろいろ食べてきた方と、自分の好きなものだけを食べてきた方とでは、反応が大きく違うということです。後者の方の場合、献立にいろいろな味付けやメニューがあると、かえって口に合わないものが増えてしまうんですね。お一人おひとりの好みを把握して個別に対応できれば理想ですが、施設や宅配弁当だとどうしても限界があります。

宅配弁当が「美味しくない」と感じた時の対処法

まず「なぜ美味しくないのか」を考える

「美味しくない」という言葉の裏にある理由を考えることが、最初のステップだと思います。味が薄いのか、食感が嫌なのか、特定の食材が苦手なのか、それとも食欲そのものがないのか。原因によって対処法はまったく変わってきます。

少しずつ変化を見つけていく

施設での経験から思うのは、しっかり選んでいくと「最近は少しは美味しくなったかな」と言ってもらえる瞬間があるということです。全部が一度に美味しくなることを期待するのではなくて、「このメニューは食べてくれた」「今日は残さなかった」という小さな変化を一つひとつ見つけながら、ご本人に合った食事を選んでいくのが大切だと思います。

サービスを変えてみる、組み合わせてみる

一つのサービスが口に合わなかったからといって、宅配弁当そのものを諦める必要はありません。サービスによって味付けの方向性も、使っている食材も、食感も違います。まずはお試しセットを活用して、いくつか試してみてください。

食形態が合っているか見直す

やわらか食にしているのに「硬くて食べられない」という場合は、食形態がまだ合っていない可能性があります。逆にムース食にしているのに「もっと歯ごたえが欲しい」という場合は、食形態を一段階戻せるかもしれません。担当のケアマネジャーや言語聴覚士に相談しながら、ご本人の状態に合った食形態を選ぶことが、美味しく食べ続けるための大きなポイントになります。

美味しく食べるための宅配弁当サービスの選び方

素材の質にこだわるなら「わんまいる」

国産素材100%、合成保存料不使用にこだわったわんまいるは、素材本来の旨みを活かした調理が特徴です。「なんとなく美味しくない」という方に、まず試してほしいサービスのひとつです。添加物が少ないので、薬をたくさん飲んでいる高齢者のご家族にとっても安心材料になると思います。

やわらか食の品質で選ぶなら「ワタミの宅食ダイレクト」「健康直球便」

食形態を変える必要がある方には、やわらか食やムース食の品質が高いサービスを選ぶことが、美味しく食べ続けるためのポイントです。食材の形を残したまま食べやすく仕上げたやわらか食は、見た目の楽しみも残せます。

制限食でも美味しさを求めるなら「メディミール」「タイヘイファミリーセット」

食事制限がある方は「美味しくない」という不満が出やすいんですが、メディミールは出汁の旨みを活かした調理で、制限食でも満足感があると評価されています。タイヘイファミリーセットは日替わりメニューで飽きにくいのが強みです。


詳しくはこちらの比較記事もご覧ください。→【高齢者向け宅配弁当・冷凍総菜おすすめランキング

まとめ

高齢者が「美味しくない」と感じる理由は、料理の質だけの問題じゃないことが多いんです。味覚や嗅覚の変化、噛む力や飲み込む力の低下、食欲不振、入れ歯の不具合、それから自分のセルフイメージとのズレ。こうしたいろいろな要因が絡み合っています。

施設で食事提供に関わってきて思うのは、「少しは美味しくなったかな」という小さな変化を一つひとつ見つけながら積み重ねていくことが大切だということです。一度で完璧な食事環境を作ろうとせず、ご本人の反応を見ながら少しずつ良くしていく。そういう姿勢が、長く美味しく食べ続けてもらうための鍵になると思います。

宅配弁当サービスも同じです。まずはお試しセットから始めて、ご本人が「これは美味しい」と感じるサービスを一緒に探してみてください。担当のケアマネジャーに相談しながら進めると、より合ったものが見つかりやすいと思います。

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